新型コロナウイルスの影響で健康やビジネス、生活に大きな影響を受けていらっしゃる方、本当に大変かと思います。もちろん、わたしたちの事業にも大きな影響が出始めていますし、例外ではありません。

そんな中、少し視点を変えてこの現象を眺めてみることの大切さを感じ、この文章を書いています。

まず、今世界はどうなっているでしょうか?

もともとトランプ大統領が当選したあたりからその流れはすでに生まれつつありましたが、国際社会で長いことリーダーシップをとってきたように見えたアメリカが完全に「アメリカファースト」にシフトしました。そして、ブレグジットに代表されるようにEUでも自国優先の孤立主義が少しずつ支持を得はじめていたところ、今回の新型コロナウイルスの影響で「各国が連携をとって対処」という理想からは程遠い状況になっています。2009年の金融ショックの際には、アメリカと中国が連携して事態を鎮めるための動きがありましたが、現状ではアメリカと中国の関係は悪化していることは火を見るより明らかです。

つまり、国際社会は、この未曾有の危機の前に「連携」よりも「分断」に近づいている。完全に「リーダー不在」という状況なのです。

さらに。その動きは各国の中にも生まれ、日本でも買い占めがあったり、自粛警察が生まれたり、家庭内でワークスペースの取り合いが発生したり(うちかw)、ダメージを受けた人と受けていない人の間に「分断」が広がっています。

このような状況を作ったのは何でしょうか?

「新型コロナウイルス」という、誰のせいでもない存在に目がくらみ、私たちは忘れているのではないでしょうか?

これは自分自身が忘れていたからこそ気づけたことでもありますので、自戒を込めて書きますね。

忘れてはいませんか?

このような状況を作ったのは、ほかでもない自分であることを。

同じ状況に立ち向かうとき、「立ち向かう壁」を選ぶことはできなくとも「どのように立ち向かうか」を決めるのは、私たちひとりひとりです。

にも関わらず、私自身は「どこかから突然やってきた壁」の存在に圧倒されっぱなしでした。

「いったいこの状況はいつ終わるのだろう?」
「この先どうなってしまうのか?」
「なんかみんな文句言ったり責め合ったりしてるけど、それがダメなんじゃないの?」

責め合ってる人を上から責めるの図(笑)

いやはや、同じ状況を前にして、「分断」を生み出しているのは自分自身である、ということを自覚することが、今すごく大切だと感じています。

なぜなら。

結末はまだ決まっていないからです。

この「新型コロナウイルス」については間違いなく100年後の歴史書にも記されることになると思いますが、その中で「新型コロナウイルスの影響で、その後の社会は●●を基調とした世界に変わった」という「●●」に入る言葉は、まだ決まっていない。

まだ、決まっていないのです。

ここに入るキーワードが、
「分断と争い」になるのか。

あるいは。

「協調と統合」になるのか。

決めるのは、今この世界を生きている、私たち以外にいない。

だから。

今はイメージし、「決める」ことが大事だと思っています。

100年後の歴史書に、

「人間社会が、何世紀にもわたる争いと分断を統合することができたのは、ひとえに人外の存在である”ウイルス”のおかげであり、アフターコロナの世界では、国も個人も、ひとりひとりがリーダーシップを発揮し、分かち合いと人間性にあふれた社会に変わった」

と書かれるような未来をイメージすること。

そして、そのような未来を「自分が創るんだ」と決めること。わたしたち、ひとりひとりは「そのような未来を創り出す力を持っている」と信じること。

もちろん。様々な状況に置かれた方がいる中で、「生活かかってるときにそんなこと考えられるか!!」というのもまた事実だと思います。

別に「俺が世界を変える!」と思う必要はないけれど(そのほうがテンションがあがる!という一部の人をのぞく)、ひとりひとりがちょっとだけ、3つのことを意識するだけで、結末へのシナリオが少しずつ変わっていくのではないかと感じています。

●一旦、ちゃんと嘆く

今回は特に「ウイルス」という人外の存在によって生活の根本が崩されるという状況の中、ある意味誰もが「被害者」であると思うんです。

だから「なんで自分が」という気持ちになったり「政府が〜」と誰かを責めたくなりやすい。

そんなときは、もう一旦被害者になりきって、嘆ききることも大事かなぁと思います。

徹底的に他人のせいにして、徹底的に被害者に没頭しきると、途中で「・・・あれ?なんかこんなこと考えてても何も変わらないな・・・」という瞬間が訪れたりします。

不思議なもので、「誰かのせい」「何かのせい」にしている間は、「人間の最大の能力」というものは発揮されないものです。

「誰かのせいにしてても始まらない」
「自分自身が結末を選ぶ」
という気持ちを、最終的にひとりひとりが実感していけたら、たぶん結末はちょっと変わります。

●分かち合うことと存在価値の再確認

これは私が所属する研修業界では特に実感していることなのですが、今までの「ノウハウや知識がお金になる」という時代は、今回のウイルスの影響で過去のものになるだろうと思っています。

シェアリングエコノミーの概念はもうずいぶん前から広がってきていましたが、そのスピードが加速する。

今までの世界って「ノウハウや知識がある人に優位性があり、それを守ることで成り立ってきた」し、逆を言えば「ノウハウや知識のない自分には価値がない」という風にもなりやすかった、と思うんです。

これからは、「自分の持っているものを分かち合うことができる」ことが価値を高める最大の鍵になり、また「知識やノウハウではなく、その人自身(の感性や価値観、あり方や存在そのもの)に価値がある」というところに、多くの人が気づいていく。

だから、恐れずに手放していいんだと思います。

そして、恐れからではなく「本来の想い」から思考/行動することができれば、社会はよい方向にしか向かわない。

●人間性を取り戻すことを自分に許す

自粛期間を通じて、たまに外に出た時に目にしたお花の姿に心を奪われたり、髪をなでていく風の爽やかさにハッとさせられる・・・そんなことが増えましたよね?

それって、たとえば病気になったりして初めて感謝の気持ちとともに気づくことが多いことだったりすると思うのですが、今、世界全体がそのことに「同時に気づく」という不思議なことが起きています。

アート、音楽、文学、自然や動物とのふれあい、そして、自分自身の心との対話。

一見すると経済活動には直接結びつかない、そういうものに、わたしたちはもっともっと時間を使っていいし、そうすることで人生が豊かになることを思い出すための時間なのだろうと思います。

***

家にいることも大事、手洗いも大事。でも、ひとりひとりができることは、実はもっとたくさんあるはずだ、と感じています。

今必要なことは、表面的な「ポジティブシンキング」や「ピンチはチャンス」的な考えではなく、より深い文脈で、より長いタイムスパンで、「今、自分たちはどういう未来を創り出そうとしているのか?」に覚醒すること。

そう、結末は、まだ決まっていないから。
あなたが、私が、選び取る未来だから。

あなたが「どういう未来」を創り出したいのかをぜひ教えてください!
その集積こそが、きっと「これからやってくる未来」!

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