違う立場で物事を経験することで、今まで自分がしてきたことの過ちに気付いて愕然とする・・・ということがあります。今日は、リーダーとして、「課題を認識できない or したくないという病」について考えてみたいと思います。
様々なタイミングで社員から「これ、まずくないですか?」という相談を受けてきました。で、そういう時の私の反応は、だいたい3パターン。

1 「いや、それはまぁ大丈夫なんじゃない(謎の楽観的観測)」
2 「ん?それってそんなに大事なこと?(課題の過小評価)」
3 「じゃあ、これこれこうやっておけば大丈夫だよ(その場の思いつきでの課題解決)」

う〜ん、冷静に考えてみると非常に残念なリーダーです(笑)。今思えばこれをやってきたおかげで、たくさんの過ちが再生産されてきました(今なお、意識していてもできないことが多いですが・・・)。
自分が逆の立場に立ってみて感じたことは、「この人は、自分と同じ課題感や問題意識を同じレベルでちゃんと認識しているんだろうか?」ということが非常に大事だということです。
つまり、「これ、まずくないですか?」と問われたら、まず言ってほしかったのは「これこれだから大丈夫です」という言葉ではない。
むしろ逆。
「そうなんですよ、私もそれがすごく大きな課題だと認識しているんです」
という言葉だということです。
このリーダーは、自分と同じ課題をちゃんと認識している、と感じられれば、仮に問題が山積みだったとしても、そこから知恵を絞って一緒に始められる。「自分がなんとかするから大丈夫」ではなく「ピンチだから助けてほしい」と素直に言えることが周囲を勇気づける。
でもリーダーが「いや、そんな課題やリスクはそもそも存在しません」と言い張っていたり、周囲が感じている課題感に気づけていないと、周囲の人はそこにこそ不安を感じたり、積み重ねてきた信頼を失ったりするのだと。
なお、自分自身を振り返ってみるに、リーダーとしてとっさに「大丈夫」と返してしまう背景としては、
・ピンチであることを認めたくない(認めることで信頼を失う恐怖)
・自分がなんとかしなくちゃと思っている(周囲を信頼していない)
・みんなに見えている絵が見えていない(課題が本当に見えていない)
といったところがあるのかな〜と思います。
どんな時でも、未来を諦めず、前向きな姿勢で進んでいけるというのはリーダーの非常に重要な資質だと思います。私もそっちの才能には非常に恵まれていると思うのですが(笑)、「課題を正しく認識する」「周囲の人たちの課題感を彼らの立場に立って理解する」という点においてほんとうに残念な能力しか持ち合わせていないことをようやく認識できるようになってきました。
「これ、まずくないですか?」と問われたら、まず「そうなんですよ」あるいは「そうなんですか?それ、詳しく教えてください」と受け止める、そして一旦自分自身の反応を横において考えるトレーニングが必要ですね。。。